受付・エントランスは生産性の向上に直接結びつくことはありませんが、企業のイメージ戦略に大きな影響を及ぼすスペースです。
今回は、受付・エントランスの役割やデザイン、導線、セキュリティー対策についてご説明します。
受付・エントランスは会社の顔
受付とエントランスの役割は、企業を訪れたお客さまを迎えることです。受付とエントランスは企業のイメージを印象づける重要な役割を担っており、まさに「企業の顔」と言えるでしょう。
受付やエントランスが、薄暗く汚れているようなことがあれば、取り扱うサービスや商品の品質を疑われてしまうことすらあります。
受付・エントランスのイメージと企業のイメージは直結するので、デザインを決めるときは、企業としてお客さまにどのような印象を持ってほしいのかを考慮して取り組むことが大切です。
照明を工夫して明るく広いイメージにする
企業の玄関である受付・エントランスは、明るく爽やかな印象を持ってもらえるデザインがいいでしょう。きちんと手入れされた観葉植物などを置くと、清掃や整理が行き届いた雰囲気を演出することができます。
受付・エントランスが小さいため、きゅうくつな印象が感じられる場合は、照明を使って空間を広く見せることを検討してみましょう。
具体的には、「間接照明で影を出し、奥行きを演出する」「照明器具の数を増やして明るさを演出する」といった手法があります。照明は企業のイメージを表現するために重要な要素なので、有効に活用していきましょう。
素材と色にこだわる
受付・エントランスを施工する際は、施工管理能力が高いデザイン事務所を採用しましょう。良い素材を使い、仕上げを丁寧に施すことで上質な印象の空間をつくれます。
コーポレートカラーが決まっている場合は、その色体系を基本にしてデザインをすると、企業のイメージや理念を訴求できます。
例えば、医療機関の内装はエントランスを含め、純白を避けることが多いです。これは、純白には清潔感がある一方、緊張感を高めてしまう短所があるからです。医療機関では、色彩学的に安心感があり、リラックス効果も期待できるといわれているアイボリーやベージュなどが採用されることが増えています。
またITやベンチャー企業などであれば先進性を演出するために、壁面にグラフィックを施したり、ディスプレーなどに映像を映し出すデジタルサイネージを設置したり、視覚的なインパクトを与えることもできます。
ロゴを設置する
エントランスには、自社の理念をビジュアライズしたロゴを設置しましょう。お客さまに会社の姿勢やサービスを理解してもらう良い機会になります。
ロゴは、取り付ける位置によって印象が大きく変わります。大きなロゴを目線の位置に取り付けてライティングすると企業の存在を強く打ち出すことができます。一方、小さめのロゴをエントランスの奥に取り付けると奥ゆかしく上品な印象を与えることができます。
受付エントランスからの導線も大切に
受付・エントランスの内部は、お客さまの導線を考えて設計してください。傘立てや観葉植物を置くこともありますが、これら備品がお客さまの移動を妨げることがないように注意しましょう。
受付・エントランスでお客さまを迎えた後、応接室にお通しする場合、お客さまは、エントランスを通り抜け、応接室や会議室に向かいます。この動作をスムーズに行えるような設計を考えることが大切です。
受付・エントランスの広さについてですが、自社ビルを持つ企業は受付・エントランスとして広い面積をあてることができますが、一般的な企業の場合は、エントランスよりはワークスペースが優先されることが多いかと思います。
最小規模の受付・エントランスは、ワークスペースと入り口をパーテーションで仕切り、呼び鈴か電話を置いてスタッフを呼び出せるようにしたものです。
こうした受付・エントランスを設けている企業は、「エントランスが狭く見える」「お客さまに息苦しさを感じさせる」ことが悩みの種になっていることもあるでしょう。
しかし、エントランスが狭くても壁面に大きな鏡を設置するなどデザインやレイアウト、照明などを工夫することで、広い空間を演出することができます。
無人のエントランスは、セキュリティー対策を忘れずに
近年は、無人エントランスを設置する企業も少なくありません。人件費の削減などメリットが多い無人エントランスですが、デメリットとしてセキュリティーが手薄になることが挙げられます。
以下は、無人エントランスのセキュリティー対策の一例となります。
・ワークスペースが見えないようにパーテーションを設ける。
・扉をロックするシステムを取り付けて部外者の侵入を防ぐ。
・認証システムを活用する。
・呼び出し用の電話、インターホンを設置し、来客を管理する。
セキュリティー面への配慮は、機密情報の漏洩を防ぐだけではなく、企業の信頼性を高めることにもつながります。
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