業務の集約や社員のモチベーションアップなどが見込めるオフィス移転を、経営のターニングポイントと捉える企業が増えています。
今回は、オフィス移転に伴うメリットとデメリットについてお伝えします。
オフィス移転のメリットとは
オフィスの移転には、多くの労力と時間がかかります。慎重に準備、移転を進めるためにも、まず、オフィスを移転するとどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
優秀な人材を確保できる
「MYCOMオフィスアワード運営事務局」は、2006年に「オフィス環境に関する意識調査」を発表。この調査は、2007年4月入社予定の内定者を対象に実施されました。その結果46.2%の内定者が就職活動の際、会社を選ぶ上で「オフィス環境を参考にしている」と回答しました。
この調査結果は、就職活動時にオフィス環境を重視する学生が増えていることを示しており、オフィス移転は、優秀な人材を確保したい企業にとって大きな意味を持つことがわかります。優秀な人材を採用するには、給与・仕事以外に、オフィス環境を整備して企業ブランドを高めることが重要です。
【スタッフのモチベーション向上を期待できる】
オフィスを移転して環境を一変させることは、社員のモチベーション向上につながります。また、都心の一等地にオフィスを移転させると、企業イメージがアップするので人材を集めやすくなります。
【通勤にかかる時間とコストを削減できる】
交通アクセスの良い立地に移転すれば、通勤時間を短縮できるので、仕事時間を確保しやすくなります。また、交通費の削減にもつながります。
【コミュニケーションを活性化できる】
近年、コミュニケーションが活性化されるオフィス設計が求められています。
例えば、社員を囲っていたパーテーションを取り払って、オープンなオフィスへと改装するだけで、コミュニケーションの活性化が期待できます。
さらに、カフェコーナーなどがある休憩室などを設けると、さまざまな部署の人が集まるマグネットスペースとなり、会話がはずみアイデアが生まれやすい環境になるでしょう。
オフィス移転で生まれるデメリットは?
一方、オフィス移転に失敗してしまうと、社員のモチベーションや業績にさまざまな影響を及ぼします。下記にオフィス移転によるデメリットをご紹介します。
【通勤時間が長くなる社員もいる】
社員の中には、新しいオフィスが自宅から遠くなり通勤時間が長くなることもあります。オフィス移転をする際は「オフィスを移転したために優秀な人材に去られてしまった」ということがないように、事前に社員の意見をヒアリングしておくことが大切です。
【ランニングコストが上昇する】
社内環境を改善するためにオフィスを移転する場合、立地条件がよく広い場所へと移転することになるため、必然的にランニングコストが上昇することが多くなります。
オフィス移転で押さえておくべきポイント
【計画をきちんと立てる】
オフィス移転を決めたら、オフィスを移転させる目的や、新しいオフィスに求める条件を明確にし、移転計画とオフィスプランニングをしっかりと立てることが大切です。
計画がずさんだと、移転が頓挫してしまったり、移転後に「こんなはずではなかった」と後悔することもあります。
【現オフィスの契約条件を確認する】
オフィスの移転が決まったら、現在入居しているオフィスの解約条件・方法を確認します。
チェック項目は以下の通りです。
□賃貸契約書の内容を確認する
・解約予告期間
・敷金・委託金返却時期
・原状回復条件(どの程度まで原状回復するか)
□原状を回復する
・大家側の指定業者はあるかを確認する
・指定業者がない場合は、目星をつけてあるか
・原状回復にかかる費用の目安を調べる
【オフィスを選定する】
オフィスを選定する際は、立地・ビル・賃貸条件を確認して移転先を選定します。立地を選ぶ際は、社員の通勤時間と取引先との位置関係に気を配るようにしましょう。
また、駅へのアクセスも良い方が便利です。入居するビルの管理会社や賃貸条件のほか、共用スペース、駐車場、空調、休日(日曜、祝日)の使用条件なども忘れずに確認します。
【オフィスプランニング】
移転先が決まったら、オフィスデザインやレイアウトを決め、必要となる設備や備品を確認します。デスクのサイズも決めましょう。導入する備品を決めたら、内装工事の見積もりを行います。
【メンタルヘルスに気を配る】
オフィス移転にともない、自身を取り巻く環境が急激に変化することで、ストレスを抱え込み、心身が不安定になる人もいます。
新オフィスのプランニング時には、リラックスできるスペースを設けるなど、スタッフのストレスを和らげるためのアイデアを盛り込みましょう。
【移転手続きを行う】
オフィスの移転には、多くの手続きがともないます。
官公庁(消防署、郵便局、警察署、法務局、税務署、都道府県税事務所、社会保険事務所、労働基準監督署、公共職業安定所、NTTなど)への手続きをすませ、取引先(金融機関やリース会社など)への移転案内状も忘れないように送付しましょう。
オフィス移転の準備を移転専門業者に依頼する場合は、荷物の梱包をあらかじめ自分たちで済ませておくと作業がスムーズになります。
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